ChatGPTとは
まあめちゃくちゃ今更なので、
知っているよっていう人がほとんどだと思いますが、
ChatGPTは、OpenAIによって開発された、自然言語処理を行う高度なAIシステムのことです。
https://chat.openai.com/auth/login
ChatGPT自体はだいぶ前にかなり話題になっているので、
知らないっていう人はかなり少ないと思います。
以前の私の記事でChatGPTのapiとずんだもんとVue.jsを使った、
ちょっとしたデモをあげているので興味がある人はどうぞ。
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参考Vue.jsとChatGPT APIでずんだもんに回答を喋ってもらう
ChatGPTとは? ChatGPTとは何でしょうか?本人に聞いてみました。 おお、模範解答(?)ですね。 このように、ChatGPTとは、AIの一種で、人間が質問したものに対して、応答してくれます。 ...
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かなり革新的なツールなので、
現在、話題になっている技術ですね。
ChatGPT自体については、
私も下記のようなポストをしていたりと、
何かと気になってはいました。
ChatGPTがいるから、これからはコードが書けるというよりも、マネジメント力がないと生き残れません的なこと言う人、だいたいエンジニアじゃない気がするんだよな。…
— フルスタックLinuxプログラミング (@xileng4) October 28, 2023
ChatGPTは、何かと荒れやすい話題で、
エンジニアの中でも懐疑的な人と、
肯定的な人で結構二極化している印象があります。
私は、上記のようなポストでも分かる通り、
どちらかというと懐疑的でした
ただ、今回のGPTsの報道を見て、
ちょっと考えを見直したというのはあります。(それでも全面肯定派ではありませんが)
GPTsとは
さて、そんなChatGPTですが、
先日のテックカンファレンス(OpenAI DevDay)で、
GPTsなるものが発表された模様です。
https://openai.com/blog/introducing-gpts
これがかなり革命的で、
ものすごく話題になっています。
以下、詳細に見ていきましょう。
カスタムGPTが強力
GPTsは、めちゃくちゃ平たく言うと、
自分でカスタムGPTが作れる機能で、
有料会員だけが使える機能です。
今までは、
「あなたはWebマーケの担当者とする。...」みたいに、
毎度毎度条件とかを詳細に指示する必要があって、
それを使いまわしたりとかがしづらかったと思うのですが、
このカスタムGPTで、それぞれのコンテキストで
詳細なGPTを作ることができるという感じです。
面白い例を見つけたので、
張っておきます
https://note.com/hanagasa_manya/n/na3c75122463d
これによって、
例えば、「記事生成bot」、
「おすすめタイトル提案bot」みたいに、
用途に応じて様々なカスタムGPTを使えるようになりました。
そして、これだけではなく、
今後は、こうして個人が作成したカスタムGPTは、
市場(apple storeのようなものらしい)に公開して、
収益化とかもできるようになるんだとか。
いやはや、色々新時代過ぎて、
なかなか脳みそがついていきません。
GPT Builder
そして、今回、
GPT Builderなるものが搭載されました。
これは、先程のカスタムGPTを
対話的に作成することができるものです。
これによって、
ChatGPTの使い方がよくわからんって言う人でも、
対話的に「Web記事自動生成botみたいなの作って」みたいに、
気軽に入力して進めていくだけで、
カスタムGPTを作れてしまうという手軽さ。
あまりに、手軽なので、
ノーコードでできてしまうと話題になっています。
たしかに、botとかは、
ノーコードで作るのは難しかったので、
それがプログラミングなしで作れるという意味では、
ノーコードとも言えそうです。
ただ、外部APIとの連携とかは、
プログラミングの知識がある程度必要ですし、
ChatGPTが生成したコードとかは、
読める必要がある場面も出てくると思うので、
そういう意味では、あまり従来のChatGPTと変わらないのではという気もします。
エンジニアの仕事の未来
さて、GPTsの台頭ですが、
これは今まで騒がれていた、
プログラマーは不要になるのでは?という議論を
彷彿とさせるものがあると感じました。
実際どうなのでしょう。
もちろん、確定したことは何もわかりませんが、
私なりの見解をあげてみたいと思います。
今すぐには仕事がなくならない
まず、現状だと、
「今すぐ」には仕事はなくならないと思います。
「今すぐ」を定義するのも正直難しいのですが、
少なくとも向こう2年ぐらいは...
というのも、まだ現状のChatGPTだと、
正確性に欠けることが多く、
基本的に人の目でコードの正確さを判断する必要があるからです。
AIの進化により、一部の繰り返し作業は自動化される可能性がありますが、
創造性や複雑な問題解決を必要とする作業はエンジニアの手に残りそうな気がします。
ただ、そうは言っても、
それもいつまでの話かは正直読めないぐらい、
進化が凄まじいなとは思うので、
動向は追っていく必要はあるかと思います。
高度なスキルの重要性
AIの台頭により、高度な技術を要する作業の重要性が増している気がします。
具体的には、
- 設計、アーキテクチャの検討、技術選定など
- アルゴリズム開発とか最適化
- 機械学習とAIの研究開発
- ユーザーエクスペリエンス(UX)/ユーザーインターフェース(UI)設計
- セキュリティと暗号化
- プロジェクト管理とリード
平たく言うと、ただコードを書く、
コーダーみたいな人は、
淘汰される危険性が高いという感じかと思います。
ChatGPTは、
AtCoderのABC、C問題ぐらいならパスできるようなコードを
即座に書いてしまいます。
個人的にAIに関してはものすごい興味関心があるっていうわけじゃないし、ChatGPTが現時点ではまだまだ信用ならないことも多いとは思いつつも、適切に指示を出せばAtCoderのABCのC問題ぐらいまでは、正解してしまうのを目の当たりにして、流石にちょっとビビったっていうのはある。企業のよくあるコーデ…
— フルスタックLinuxプログラミング (@xileng4) November 11, 2023
コーディング能力があるだけではだめで、
設計、アーキテクチャといった、
よりマクロな視点でシステム開発を捉えられる様になる必要がありそうです。
所謂、エンジニアのキャリアとして、
技術のスペシャリストを目指すというキャリアよりは、
マネジメント能力がある方のキャリアを目指した方が、
安全性は高そうな気はします。
本当に技術が好きで、それだけやっていきたいという人は、
ChatGPTに取って代わられる危険性がないわけじゃないので、
ChatGPTの台頭は、純粋にコーディングが好きな人にとっては、
正直あまり嬉しくないニュースかもしれませんね。
ただ、本当にエンジニアが淘汰されるのかという点に関しては、
正直まだ懐疑的ではあります。
というのも、上記を踏まえて高度なスキルを持ったエンジニアが、
一体どれぐらい市場にいるのかということを考えたら、
かなりの数のエンジニアが職を失うことになりそうです。
それだけ雇用が失われて、
別の雇用があるのかというと、
エンジニアですら、雇用がなくなるようなころには、
他の職業も少なからず淘汰されている可能性が高いですから、
そもそも社会構造的に成り立つのか?みたいな疑問もあります。
それと、現在PCが使える人使えない人みたいなIT格差があり、
地方とかでは未だに紙とかで在庫管理しているような企業もあったりすることを思うと、
個人的には情報格差の種類が増えていくというのが、
より現実的なような気もします。
それと、そもそもAIは職を奪うのではなく、
人間の楽をするためのツールという捉え方もあるので、
心配するほど、人間の雇用は現象しないのかもしれません。
今後少子化で間違いなく労働人口自体は減るので、
むしろ、AIが補助をしてくれるぐらいで
ちょうどよくなるのかもしれません。
それに我々が生きている間に、
完全プログラミング(人間不要ですべてAIがプログラミングする)の時代が
到来するかも未知数なので、
起きるかどうかもわからないことを考えても仕方ないっていうのもあります。
AIを活用できるかも必須教養になりそう
最近というか、ちょっと前は、
プログラミングと英語が基礎教養になると騒がれていましたが、
今後はこれにAIが加わりそうな予感がしました。
というのも、案外ChatGPTを適切に使うのは、
テクニックがいるからです。
適切なプロンプトを読み込ませるための工夫や、
どういうことをChatGPTにやらせるかといったアイデアなど、
ChatGPTは便利ですが、それを活用し切るには、
そこそこのテクニックが必要そうです。
そのため、新しい職種としてプロンプトエンジニアなるものが、
期待されていますが、これに伴いAIは今後の必須教養になるのかもしれないなと思いました。
英語が読めない人は、それだけアクセスできる情報が減るように、
AIが活用できないと、それだけ得られる利便性を失うという感じで、
格差が今後生まれてきそうな予感がしました。
未経験からエンジニアへの道
これから未経験からエンジニアを目指す人は、
結構厳しくなりそうな予感が個人的にはしています。
というのも、こうしたGPTツールがあれば、
未経験の人を一から育ててエンジニアを増やすよりも、
スキルがある人がGPTをうまく使って、
何人分ものバリューを出す方が現実的だからです。
そういう意味で、スキルがないエンジニアは、
相対的に淘汰されやすくなるのかもしれません。
また、淘汰されるかどうかの分岐点として、
今後ChatGPTを使いこなせるかもポイントにあるのかなと感じました。
最低限プロンプトエンジニアリングを学んで、
泥臭くではなく、極力効率よくコードを書いていく手法を身に着けていく必要がありそうです。
(コーディング自体が好きな人にとってはなんとも寂しい話ですが)
ただ、そうは言っても、現状だと、
まだまだChatGPTがエンジニアを淘汰する水準には行っていません。
30代ぐらいで未経験からエンジニアを目指す人々は、新しい技術を学び、適応することが重要かもしれません。
エンジニアとして生き残るために
以上を踏まえて、
エンジニアとして生き残るには、
やや大変な時代に突入しそうだなとは思います。
ただ、そう入っても、
ChatGPTによって、
未経験技術へのハードルはかなり下がったと思うので、
技術のキャッチアップ自体はしやすくなっていると思います。
そのため、現在のような過渡度は、
いかにこうしたAIツールを使って、
差をつけるかで今後生き残れるかが変わってくるような気がしました。
ただ、いつかChatGPTとかが、
すべてプログラミングしてくれるようになったら、
いよいよエンジニアは不要になるので、
その日になったら、今まで身につけてきたスキルが
役に立たなくなると思うと、少々やりきれない感はあります。
ただ、そうなっている日には、
他の職業もそうなっていると思うので、
あまり将来の不安ばかり考えすぎずに、
ChatGPTの便利な部分を積極的に使っていくというのが、
AIとの良い付き合い方なのかもしれませんね。